HSPは気質であり、生まれつき持つもの。

AC(アダルト・チルドレン)は、主に家庭内で心的外傷(トラウマ)持ち、そのまま育った子どもがなってしまうという後天的なもの。

でも、HSPもACも特徴が似ているものだから、「自分はどっちなの?」と悩む人も多いのだとか。

今回はそんな悩みを抱えているフリーライター『なつのしん』さんこと、なっちゃんとの対談をお送りします。

同じように悩んでいる方の心が、少しでもほわっと軽くなれば幸いです。

2人がAC(アダルト・チルドレン)になったきっかけ

まずは、それぞれのきっかけをドン!

こちらを踏まえて読み進めてもらえると、より分かりやすくなるはずです。

なつのしんのきっかけ

中学3年の夏が終わってから、少しずつ体と心の調子がおかしくなって学校に行かなくなったのがきっかけ。

この家は何かがおかしいということに気づき始めて、病みながらも、自分の心や体の不調、両親の性格・行動などを調べていたら、ACという概念に行きついた。

我が家は典型的な孤立した核家族かつ、母親は暴走しやすい、少し変わった人。自分達の家庭をよく見せることで、自尊心を保っているような人だった。

でも、やっぱりそういう暮らしには無理があって、母は私に対してつらく当たった。体罰も暴言もたくさん受けて、それは今でも何かのきっかけでたまに蘇るほど。

父はあまり母に意見しないし、常に母が優先だったから、私が病むまで母の暴走を止める人はいなかった。

母が家にいると分かっているときは、家に入る前に深呼吸して、気合を入れないと入れなくて。そんな家が大嫌いだった。

たけなわアヤコのきっかけ

祖母が亡くなったのがきっかけ。

どうやら祖母の存在は父と母にとって緩和剤的存在だったらしく、祖母が亡くなって以来、どんどん夫婦喧嘩が増えていって……。
離婚するまで約10年間かな。ときにはお皿が飛んだり、灰皿を床に投げつけたり、日に日にひどくなる喧嘩を目の当たりにして育った。

祖母が亡くなった当時の私は、時間が経つことが恐くなって寝られなくなり、置いていかれる恐怖から人付き合いでも壁を作るようにもなっていたけど、

・母はリストカットするまで追い詰められていた
・父はすぐにお金で脅すなど、人としてどうなのかという人物だった

といったことから、頼れず、甘えられず。毎日、押入れなどで一人こっそり泣いていた。

幼少期の家庭環境を思い起こすと、「承認欲求が満たされない寂しさ」が常につきまとい、「父が帰ってくることでピリピリする家庭」に常に緊張感があった。

正直、HSPとACを兼ね持っているケースが多いのでは?


なつのしん
自分が典型的なACだっていうのはずっと前から知っていたんだけど、HSPというものを知ったとき、あまりに当てはまることが多すぎてHSPについて調べることにハマったんだよね。

そしたら、色んな本に「愛着障害」とHSPの関係性がすごく深い、切っても切り離せないということが書いてあるんだ。

愛着障害っていうのは、親や養育者との幼少期の愛着形成がうまくできていない人に生じる困難を、総合した言い方なんだ。だから、愛着障害のある人は、おおよそACであるといえるんだよね。

HSPは周囲の色んな刺激を受けやすいから、悪い家庭環境の影響も受けやすい。だから私は病んだり挫折したりしたのかもしれないと思っているんだ。

逆に、HSPが素晴らしい家庭環境に生まれれば、いいものをどんどん吸収して、素晴らしい人材になっていくのかな、というのも想像ができる。

たけなわアヤコ
「素晴らしい家庭環境だったら、素晴らしい人材に」は、その通りだと思う!

思い返せば、物心ついた頃から「周りの空気を読むことが得意」だったんだけど。

祖母が亡くなるまでの超ポジティブだった頃の私は、HSPの敏感な特徴についても、明るい方向で使えてた感が大きいよ。

なつのしん
多分、ACの問題を克服してもなお残る悩みが、HSPによる悩みだと思うんだけど、

ACから回復したかどうかっていうのもはっきり分からないから、原因がどっちか分からないなぁと思うことがあるんだ。でも、はっきりさせなくてもいいかなって、今書いてて思ったw

HSPの特性があるかどうかは知っておいたほうが良いと思う

たけなわアヤコ
私も正直、HSPかACかをハッキリさせる必要はないと思うんだけど、

・HSPは、生まれつきの特性であり、どうにかできるようなものではない
・ACは、家庭環境によるものであり、回復も可能と言われている

っていう違いがある以上、無駄に心を傷めつけないためには、「HSP」なのか分かっていると気持ちが楽かなあと思う。

どちらも「自分はなんてダメなやつなんだ……」って、追い詰めないことが大切だと思うんだけど、特にHSPには「追い詰めないで!直すべきものでも、悪いものでもないよ!」と言いたくて。

HSPは開き直りが重要だと、自分の体験から思うから。

なつのしん
開き直り、まさしくその通りだと思う。

HSPは非HSPの何倍もの「見えないエネルギーの動き」を感じているんだよね。さらに思考が深いから、そのエネルギーの動きにどう対処すればいいかを更に考える……これが、無意識に一瞬のうちに頭の中で行われている。

こうやって、HSPの頭の中の動きを文字に起こしてみると「そりゃ、疲れやすいしストレス溜めやすくて仕方がない」って思えるよ。

後天的なACの問題も、自分がHSPだと自覚するだけで、解決がしやすくなると思っているんだよね。

家庭環境の悩みなんて、みんな多少なりとも抱えているじゃない?

その中で「自分は恵まれている方だ」と思って、ACを自覚できない人や、家庭環境の問題に向き合えない人って多いと思うの。

でも、HSP気質を持っている人は、他の人から見たらささいな問題も、重く受け止めるんだよ。普通の子供なら分からない大人の事情や感情も、分かってしまう。

だから、HSCはACにもなりやすいんだなぁって、思う。

ただ、全てが見えないから気づきにくい!!!だからもっと、気づいて欲しい。

私もアヤちゃんと同じ気持ちだ。



自分がHSPかどうかってどこで判断できる?

たけなわアヤコ
ACかどうかは、正直、

・幼少期「家庭環境が悪かった」「寂しい思いをした」「十分に愛されていると感じられなかった」などの問題を抱えていた
・なおかつ、上記の経験が今も生活に支障を与えている

っていう特徴さえあれば、おそらくACだと思ってしまって良いと思うんだよね。

一方、HSPに関しては、経験からくるものじゃないだけに特定しづらい。特徴も多岐に渡るし、特徴による影響も千差万別な印象だし……。

なつのしん
病気とか発達障害の一種だと思っている人がかなり多い印象。HSPの発信やブログを書いている中で「どこで診断してもらえばいいんですか?」って、聞かれることもあった。

たけなわアヤコ
名前がついちゃうとねぇ。良いことでもある反面、病気と勘違いしてしまう人も確かに多いだろうなあ……。

HSPかどうかは本を参考にすると良いかも

なつのしん
アヤちゃんは、HSPを何で知ったの?ネット?

たけなわアヤコ
私は本屋で、長沼睦雄さんの著書タイトル「敏感すぎて生きづらい人の明日からラクになれる本」にピンときて、購入して。

そして、読んでみて「私が辛かったのって、これか!!!!!」って、すごく納得した感じかな。

 

なつのしん
おー!長沼睦男先生の本はいいよね!本当に優しい本。私は、子どもも敏感だから長沼先生の「子どもの敏感さに困ったら読む本」を読んだ。でも、逆に私が救われた気がしたよ。

たけなわアヤコ
実際に精神科医として子どもから大人まで診ている人なだけあって、言葉のひとつひとつに気を遣ってくれている感じがするよねぇ。

読みやすいし、私自身が「性質だから仕方なかったんだ」と割り切れるようになった本だから、自身がHSPなのか気になっている人には手にとってもらいたいと思う……!

※すんごい宣伝のようになってしまったけど、本当に良い本かつ、書店でも扱われていることが多いので、気になる方は一度手に取ってみてください。

それぞれのHSPらしいエピソード


「自分もHSPかも?」と悩んでいる人は、こちらのエピソードと自分を照らし合わせることで、少し分かってくるやもしれません。

HSPは環境の変化に敏感?

なつのしん
私は今年の1月に新居に引っ越したんだけど、最初は全然落ち着かなくて……。少し前にアヤちゃんたちと通話でしゃべったときは、狭い脱衣所にこもっていたっけ(笑)

環境の変化に弱いっていうのは、HSPの特徴だよね。私は環境の変化には昔から弱かった。小学校に入学して数ヶ月で不登校になったし(笑)

でも、自分の子供を見ていても、やっぱり環境が変わると体や心の変化が顕著に表れるね。息子が小1になったときは、おねしょはひどいし、常にイライラしていて、腫れ物に触るように接していたよ。

アヤちゃんは、環境の変化についてはどう?そういうことってない?

たけなわアヤコ
環境の変化かあ。私は割と人間関係以外だと、かえって変化を望むほうかもしれない。引っ越しとかも、お金さえ許せば、いろんなところに行ってみたいなあって感覚が強いかな。

ただ、そういう変化が好きな割には、受ける影響による疲れやすさはあるんだよね。

HSPの中でも、内向的・外交的に分けられるけど、私は多分、基本的に外交的寄りなのかなあ、と。だから、刺激を求めて外に向かっちゃうんだけど、すーーーぐ疲れるっていう。

そして、疲れたら内向的モード入っちゃうものだから、私の場合は「すっごく外で遊びたい」ときと「家どころか心に閉じこもっていたい」ときを不定期的にくり返してる感じなんだよね。

なつのしん
>そういう変化が好きな割には、受ける影響による疲れやすさはあるんだよね。

私も同じ!環境が変わると疲れたり、慣れたりするまでに時間がかかる。

だけど変化が嫌いというわけでもないんだよね。むしろ、変化しないままだと焦るし病んでしまう。

やっぱりHSPと、内向型・外向型は密接だよね。私も外向型のHSSなのかもしれないと思っている。私も「外に出たい」のと「閉じこもりたい」のサイクルを繰り返しているかも。

【解説】HSPとHSS

HSPらしいHSPは内向的で、危険なことに自ら近づくことのない、どの面から見ても繊細なタイプです。一方、HSPの中には、HSPと対極とされる「HSS」を兼ね備えたタイプもいます。

HSS型HSPは、好奇心旺盛で刺激を追い求めるものの、いざ刺激を受けると敏感さゆえに疲れ果ててしまうという……。

一般的にHSPというと、前者の内向的タイプを差すため、後者の場合はHSPの解説を読んでも「当てはまるところもあるけど、違うかな?」と感じやすいかもしれません。

※ちなみに、たけなわアヤコはHSS型HSPの特徴がかなり強く、なつのしんもその傾向が多少あるようです。

HSPは空気を読みすぎて、自分らしさを表現できない?

なつのしん
HSPは根暗とか、人付き合いが悪いとか、人嫌い?というようなイメージもあるのかなって思う。1~3人程度で会うのはOKだけど、大人数飲み会となるとちょっと負担……ってのはHSPあるあるだよね。

「大人数が苦手」=「付き合いが悪い」とか「つまらない人」って思われてしまう節ってない?

たけなわアヤコ
私の場合は心身がしんどくなってきているのを隠すのが得意なもんで……。
元々、ノリも良いほうなのもあって、遊びの場では輪の中心側だったりする。

これが子どもの学校行事だったり、仕事場だったりと、真面目な顔してないといけない場だと、つまらない人になりがちなんだけど。

でも、やっぱり落ち着くのは数人での集まりだし、大人数になるとその場では笑顔でいられても、家に帰った途端にへとへとにはなりがちだから、大人数が得意かと言われるとそうではないんだろうねぇ。

なつのしん
>真面目な顔してないといけない場だと、つまらない人になりがちなんだけど。

これはまさにあるあるだよね。私もやっぱり、職場や子育てのような「真面目」にふるまうべきところでは潰れる感じがする。

アヤちゃんや他のHSPを見てて思うのは、HSPはすっごく個性的なのに、それを活かす場所がなかなかないということに問題があるのかもしれないね。

たけなわアヤコ
HSPは空気を読みすぎるから、自分らしさを出せなくて窮屈な思いをしやすいのかもしれないねぇ。

だからかえってネットの世界だったり、肩書きのない世界を居心地良いと思うのもあるのかも。



HSPは人の目線を気にしすぎる?

なつのしん
HSPらしき特徴は、10代の頃にバイトに出たときに感じたんだよね。ずっと人と一緒の仕事ができなくてさ。同じ空間に、誰かとずっと一緒にいることがダメだった。

だから、高校生ができる範囲のバイトの中でも、ガソリンスタンドとかホテルの清掃とか、ひとりになれる仕事を選んでやっていたし、そのほうが合っているって実感したんだよね。

人に作業を見られていること、近くにずっと人がいる状態で何かをするということが、本当に無理だった。

思えば子供のころも、算数ドリルをやっているとき、ひとりでならスイスイ解けるのに、親や先生に問題を解くところを見られているときは、頭が真っ白になって全然できなかったんだよね。それもHSPの特徴だなーと思う。

で、子育てが始まった。子供が赤ちゃんの頃は、家でふたりきりの時間が多いからあまり悩みがなかったんだよね。

でも、1歳くらいになると公園や児童館に行って、人の目が気になるようになった。子供との会話、子供への表情、子供への叱り方、全部人に見られているの。

そのあたりから、かなりしんどくなって……悩み始めたのが、HSPという気質にたどり着く経緯だったと思う。

たけなわアヤコ
>人に作業を見られていること、近くにずっと人がいる状態で何かをするということが、本当に無理だった。

これ!私もある!!

幼少期にピアノを習っていたんだけど、親が見ている場ではすごくやりづらかったなあ……。まさかHSPの特徴だとは思わなかった。

なつのしん
HSPのチェックリストに「競争させられることや、人に作業を監視されると本領発揮できない」というような項目があるよ。

これ、気づかなくて苦しんでいる人、多いよね。在宅ライターがHSPに向いているのは、このポイントも大きいって思う。

HSP×ACな二人の思い


なつのしん
書店でも、HSPや「敏感さ」についての本が並んでいるのをよく見かけるようになったよね。

私がHSPを知ったのは、今から5年くらい前でね。記事のネタ探しをしているときに、HSPを知ったんだ。

衝撃的だったから、某女性向けWEBサイトで、HSPの記事を書いてみたんだよね。そしたら、コメント欄への反響がすごかったんだよね。

「救われた」とか「長年悩んできた悩みが消えた」とか。これは、もっともっとたくさんの人に教えないといけない!と思った!

本当に悩んでる人が、多いんだねぇ。それでも、まだまだ知名度は低いよね。日常生活で「HSP」というワードを聞いたことは一度もないよ(笑)

たけなわアヤコ
悩んでる人、多いよね!

私も自分のブログでHSPの記事をいくつか書いてるけど、ツイッターで「自分もそうかも」ってコメントくれた人もいれば、「そんな気質があるんだ!初めて知った!勉強になった!」ってコメントもあったり……。

まだまだ知名度の低いHSP――当事者もそうでない人も知ってほしい

たけなわアヤコ
日本ってさ、HSPみたいな「普通と言われることができない人」が生きづらさを感じやすいじゃない?

そのほかのことがいくらできていても、普通といわれることができないと「できるようになれ」って強制される傾向がある気がして……。
ひとつが飛び抜けているよりも、すべて平均のほうが良いみたいな。

でも、やっぱりみんな生まれつきでも、後天的にでも、得意・不得意ってあるもので、そんなときに悪い点ばかり指摘しないで、良い点をもっと褒め合える社会になっていけばいいなあって。

そんな社会にしていくためにも「HSPという生まれつき繊細な気質がある」って話を知ってもらうことは、良いのでは!と思ったり。

実際、私もHSPのことを知って、「きっとHSPだけでなく生まれ持った気質っていうのはみんなあるもの。だから、分かり合えない人がいることは悪いことじゃない」って思えたし、
「分かり合えない人を否定すべきでもない」と思えたから。

なつのしん

すごくわかる。気質とか、AC・愛着障害を知ると、本当に「分かり合えないことが前提」と思えるよね。

この星の数ほどいる人間の中で、分かり合えない人が大半。そう思えれば、その中で感性の合う人、好きだと思える人の存在が、かなり貴重でありがたいものなんだってことがわかる。

>そのほかのことがいくらできていても、普通といわれることができないと「できるようになれ」って強制される傾向がある気がして……。
ひとつが飛び抜けているよりも、すべて平均のほうが良いみたいな。

本当にそうなんだよね。一般的なレベルから出てしまうと「改善」することが求められる雰囲気があるよね。「よいとされること」にみんなが無理して合わせている感じ。

Twitterなんかを見ていると「自分は自分でいい」という価値観も当たり前になりつつあるけど、日常生活ではまだまだ一般的なレベルに合わせようとする雰囲気を感じるよ。

それぞれに得意不得意があること、背が高い人・低い人がいることにように、もっと色んな感受性があることを知ってほしいね。

対談を終えて――たけなわアヤコ

「HSPとACの境目ってなんだろう」というテーマから始まった記念すべき第一回目のHSP対談でしたが……。

結構、早々に「ACかHSPかはハッキリさせなくても良いのでは!」という結論が出てしまったために、大分、脱線した気がします。笑

ただ、HSPにしろACにしろ、ポイントになるのは「自分を受け入れること」ではないか、と。

そして、まず自分の性質を知る必要もあると思いますが、そのためのお役に立てる対談になっていたなら幸いです。

<予告>次回のHSP対談は……
【HSP×仕事×人付き合い】か【HSP×芸術×妄想】のどちらかを予定しています。

Guest なつのしん
生きづらさを感じる人の心にそっと寄り添うようなライター・文筆家。心理カウンセラーの資格を所持しており、アダルトチルドレンについての著書も発売中。
現在、【kandouya】にて、心動く記事を日々、執筆中。



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